きらいだったはずなのに!
11.転機
「杉浦、いったいどうしちゃったんだ……?」
わなわなと肩を震わせそう言ったのはあたしの担任だ。
どうしたもこうしたもない。
これが現実なのである。
「まあ、これがあたしの実力ってやつかなあ!」
そう得意げに言うあたしの手には、テスト用紙の束。
「実力っていうくらいなら、最初からこのくらい頑張ってほしかったんだが……」
「まあまあセンセ。終わりよければすべて良し、でしょっ!」
そう鼻高々に言うだけのことはある。
手元のテストの点数はどれも平均点以上で、これまでオールレッドポイントだったのが嘘かのように答案は丸を連ねていた。