きらいだったはずなのに!
それでもすごいことには変わりないから、家族とそれから桐島さんに早くこのことを伝えたいっていうのがいまの一番の気持ち。
特にお母さんにはずーっと心配かけてた。
だって入学してから赤点以外の点数をとったことがなかったから。
この答案用紙をみたらびっくりするはず。
そして、喜んでくれたらいいなあ。
そんなことを考えながら、帰りの時間を待ちわびた。
◇
「……え、指導日を減らす?」
模様替えしたオフホワイトとグレーを基調としたあたしの部屋。
テーブルを挟んだ真向いには桐島さん。
隣りにはお母さんが座っているという、異例の二十時半。
あたしの頭は混乱していた。