きらいだったはずなのに!
12.会えない日々の中で
十月も半ばに入り、外は随分涼しくなった。
九月中旬まで長く存在感を出していた蝉も寿命を終えたのか近頃は静かで、代わりに夜はコオロギの声が響くようになった。
つい最近まで半袖のブラウスに短いスカートでも全然へっちゃらだったのに、カーディガンを羽織ることも増えていた。
いつのまにこんなに時間が経ったのかとびっくりする。
昨日の文化祭で出たごみを外の収集所に持って行く間に、ふとそんなことを思った。
「桐島さん、来られなくて残念だったわね」
「んー、そうだねえ」
ミヤコちゃんの言葉に相槌を打ちながらごみを投げ捨てて、冷たくなった手を擦って息を吹きかけた。
実は、昨日は文化祭だった。
うちの学校の文化祭は1年おきで、今年はその年だった。