きらいだったはずなのに!
それに、あたしよりピンク似合うし。
「……って、そうじゃないでしょ!」
「は? いきなりなに? うるさいんですけど。下に聞こえるだろ、静かにしろよな」
「ここ防音だし!」
「あ、そう。ならいいんだけど」
あたし、楽器弾いたりするから。
バカだけど、それだけは趣味でね。
近所迷惑にならないように防音加工なんだよ、へへっ!
……いや、だから違うでしょ。
そうじゃないでしょ、あたし。
なにこれ、目眩するんだけど。
とりあえず、あれだ。
……目の前にいるお兄さんは、誰?
「おまえ、全部口に出してるって気付いてる? それに、俺の名前も覚えられないくらいアホなわけ? ま、知ってるけど。ふっ」
「はい!?」
今この人、鼻で笑ったんだけど!