きらいだったはずなのに!
肩を落として座り込んだあたしに、桐島さんは追撃の手を緩めることはなかった。
「つまり、だ。俺にカテキョやめられたら、おまえの面倒見てくれる奴はゼロだぜ」
「うっそ……」
いや、でもまだ学校にだって先生いるし!
さすがに先生までもあたしを見捨てたりなんか……。
「ついでに言うと、バカなおまえのことだから学校の先公に頼ればいいと思ってんだろうけど、甘いから。それでどうにかなってたら、俺は今頃こんなとこで無駄話してないから」
桐島さんの言う通りだ……。
どうにかなってないから、今この状況なわけで。
それで、なんだっけ。
ということは、いくら桐島さんを生理的に受け付けないからって追い返したら、この先あたしの人生真っ暗ってことだよね?
いくらあたしでも、ここまで言われればいやでもわかる。
つまり、あたしはこの性格歪んだ裏表二重人格野郎にすがるほかないってこと。
「まあ、おまえに契約切られたとこで、俺は痛くもかゆくもねえよ? 依頼は山ほどくるんで」
目で、「どうする?」と訴えてくるムカつく目の前の男。
だけど、あたしにはこの人しか頼る人がいない。
「これから、よろしくお願いします……」
土下座する勢いでお願いするしか、今のあたしに選択肢は残されていなかった。