きらいだったはずなのに!
桐島さんの手には、ざっと数えても答案用紙が三十~四十枚ほど。
入学してから数か月しか経ってないのに、なぜこんなにもたくさんの用紙があるのかというと、ひとつの試験につき最低二回は再試験を受けているからっていうのもある。
だけど、それ以前にうちの高校は……。
「そもそも、こんな成績でよく高校受かったな。おまえんとこってバリバリ進学校じゃん」
「うっ……」
そうなのだ。
あたしが現在通っている高校、桐島さんが言う通り、バリバリの進学校だったりしちゃう。
そこらの学校より授業の進度だって早いわけで、内容だってハイレベル。
だからあたしのバカさに、さらに拍車がかかったとも言える。
「なんでここ受験したわけ? 受かっちゃったことにも驚きなんですけど」
心底不思議そうな顔をする桐島さん。
なんで受かっちゃったのかはおいといて。
受験した理由は、あたしにもいろいろあったというか。
だけど、その理由が幼稚だから言うのが恥ずかしい。