きらいだったはずなのに!
三年生になり、悠斗とはクラスが離れた。
そんなあいつと入れ替わるように、クラスが一緒になったミヤコちゃん。
彼女はあたしの心の隙間にしっくりと馴染んだ。
クラスが同じになってからは、毎日必ず輪の中にはミヤコちゃんがいて、こんなあたしをずーっと、見放さないでくれた上にこう言ってくれた。
『別に、離れても友達だけど。親友だと思ってるし、一緒の高校行きたいなんて思ってないこともない』
素直じゃない、ミヤコちゃんの言葉。
あたしはミヤコちゃんのことを勝手に親友だと思ってた。
だけど、それはあたしの一方的な思いでしかないんだよなあって悲しくなることもあった。
だから、ミヤコちゃんもそう思っていてくれたこと、そう言ってくれたことがどうしようもなく嬉しくて。
あたしはミヤコちゃんの志望する高校を受けることに決めたんだ。
それが、この高校を選んだ理由のひとつ。
もうひとつ、理由があるんだけど、それは桐島さんに話すことではない。
思い出したくもないから。