ナツコイ


「ユイちゃん…」



「大丈夫、リュウが見てるのはサクラちゃんだけだからっ」



ユイの言葉にサクラに笑顔が戻る。



「ありがとう…ユイちゃん」



「ううんっ」



「あっ…じゃぁ、私そろそろ帰るね?」



「じゃぁ、駅まで送るよっ」



「えっ!?大丈夫よ?」



「でも、サクラちゃんみたいな可愛い子が夜道一人で歩かせられないよっ」



「ぷっ…」



クスクスと笑うサクラ。



「もうユイちゃん男前すぎっ、大丈夫、塾の帰りもいつも暗いから、それに家に着いたらリュウくんにメールするし大丈夫よ?」



「…そっか?」



「今日は突然ごめんね?話せて良かった…ありがとう?」



「うん…全然っ」



「じゃぁ、おやすみなさい」



「おやすみ…」



サクラは笑顔で手を振り、帰って行った。



サクラを見送ったユイの顔色が曇る…。



私…サクラちゃんのこと、不安にさせてる。



二人の…邪魔してる…。




もう。



ホントに、リュウへの気持ちは消さないといけない…。




< 136 / 223 >

この作品をシェア

pagetop