ナツコイ
「ユイちゃん…」
「大丈夫、リュウが見てるのはサクラちゃんだけだからっ」
ユイの言葉にサクラに笑顔が戻る。
「ありがとう…ユイちゃん」
「ううんっ」
「あっ…じゃぁ、私そろそろ帰るね?」
「じゃぁ、駅まで送るよっ」
「えっ!?大丈夫よ?」
「でも、サクラちゃんみたいな可愛い子が夜道一人で歩かせられないよっ」
「ぷっ…」
クスクスと笑うサクラ。
「もうユイちゃん男前すぎっ、大丈夫、塾の帰りもいつも暗いから、それに家に着いたらリュウくんにメールするし大丈夫よ?」
「…そっか?」
「今日は突然ごめんね?話せて良かった…ありがとう?」
「うん…全然っ」
「じゃぁ、おやすみなさい」
「おやすみ…」
サクラは笑顔で手を振り、帰って行った。
サクラを見送ったユイの顔色が曇る…。
私…サクラちゃんのこと、不安にさせてる。
二人の…邪魔してる…。
もう。
ホントに、リュウへの気持ちは消さないといけない…。