ナツコイ
海の家 「夏風」
ユイが休みの今日は、リュウとノブが店に出ていた。
ハルキを含む野球部員達が来ていて、ノブがハルキに声をかける。
「ハルキ、今日来ても愛原は休みだぞ?」
「うるせーよ?それだけで毎回来てねーよ」
「ウソつけよー」
「ハルキにも、とうとう春かぁ~」
「おまえそのうち、俺だけのマネージャーになって欲しいとか言うんじゃねーの?」
他の部員が冷やかす中、ハルキは眉をピクピクさせる。
「アホかっ、そんなこと言わねーよっ」
「どうだかなぁ~」
まだ冷やかされる中、ノブがニヤニヤしながらリュウの元へ。
「ハルキのヤツ、すっかりからかわれてるぜっ」
「…あぁ」
リュウはチラッとハルキ達の方を見て、
すぐに手元の作業に移る。
「…どうかしたか?リュウっ」
「えっ?いや…?」
「もしかして、こないだのこと…ハルキに悪いと思ってるのか?」
「こないだ…」
リュウはユイと二人で過ごした夜のことを思い出す。
すると、会話が聞こえていたユイの母親がリュウ達に話かける。
「そうだ、二人共こないだは本当にありがとうね?」
「あっ…いえ、俺は途中で帰ったので、お礼を言うならリュウだけです」
「あら、そうなの?じゃぁリュウくん泊まってくれたのね?ユイも心強かったと思うわ、ありがとう」
「…いえ」
リュウがそう言った時、ノブに肩を叩かれる。
「リュウっ…ヤベッ…」
「…えっ?」