ナツコイ
そして二人はユイの家に着いて、自然と手を離す。
「じゃぁ…送ってくれてありがとう」
「…うん」
二人の間に、すぐ近くの波音が聞こえてくる。
二人は数秒…見つめあった。
照れくささに限界になったユイは、視線を外して口を開く。
「なんか…波音がよく響くね?今日は…」
「あー…うん……ユイっ」
「えっ…?」
「ちょっと、こっち…」
そう言ってリュウはユイの腕を引っ張り、玄関前からずれた塀の前に移る。