ナツコイ
そして、ユイが食器を持って先に戻ろうとすると、ハルキがユイに声をかける。
「あっ…悪い愛原、休憩中に邪魔して…」
「えっ?あー…全然っ、ごゆっくり」
「あぁ、サンキュ」
「じゃぁ、私先に戻るから」
「おぅ、俺とノブももう行くわっ」
リュウ達も食器を片付ける中、
ユイは先に裏に戻りエプロンをつける。
「よしっ、もう少し頑張りますかっ」
気合いを入れて、ユイが表に出ると。
髪をポニーテールにした他校の制服を着ている女子高生が一人で入ってきた。
「……いらっしゃいませ?」
ユイが近づくと、その子は笑顔を浮かべ…。
「あのっ…リュウくんいますか?」
「…えっ?“ リュウくん”…?」
「あっ…えっと…瀬川…リ…」
その子が言いかけた時、ユイの後ろから声が飛んでくる。
「サクラっ?」
えっ…?
リュウの声に後ろを振り返るユイ。
“ サクラ ” って、だれ…?