ナツコイ
彼女…。
ん?
…えっ…!?
そしてユイは再度ノブを見る。
「……彼女っ!!?」
思わず大声を出してしまったユイに、
店内の視線がユイに向けられる。
「こらっ、ユイっ!」
母親に怒られ、ユイは慌てる。
「あっ…すみませんっ」
店内に頭を下げるユイを見て、サクラの前でぷぷっ…と笑うリュウ。
「なに言ってんだ愛原のヤツ、おっかしー」
そんなリュウを見て、不思議そうな顔をするサクラ。
そして裏に戻ったユイに、リュウが声をかける。
「おまえ、おかしすぎっ」
「うっさい…」
リュウは平然と片付けをしていた。
「っていうか、瀬川って…彼女とか…いたんだ?」
「えっ?あぁーそういえば、言ってなかったな?」
「うん…」
「まぁーあんまり言う機会もなかったしな?」
「…そだね?」
ただの、クラスメイトだったから…。
ん…? “だったから? ”