ナツコイ
夏祭の日から数日。
ある日、ハルキがリュウを部活終わりのグラウンドに呼び出した。
部活を終えたハルキが、芝生にいたリュウに声をかける。
「リュウっ」
「おぅ」
すると、ハルキはポケットからゴムボールを出した。
「なぁ?キャッチボールしようぜ?」
「えっ…?」
「これぐらいなら、大丈夫だろ?」
「あぁ」
そして二人は間隔を空け、ゴムボールでキャッチボールをしだした。
「リュウ、平気か?」
「あぁ、余裕っ」
「そっか?」
「で?呼び出しとか、なんだよ?」
「あぁ…」
ハルキがリュウから返ってきたボールを受け取り、一旦投げるのをやめる。
「あのさ…リュウ」
「…ん?」
「愛原…元気か?」
「えっ…?ユイ?」
「あぁ…」
ハルキはそう言ってリュウにボールを投げる。
「そういえば…あの日から元気ないな?
ユイのヤツ…」
「……“ あの日 ” ?」
「あっ…いや…」