理論と刀と恋の関係。
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»»»4日前



●a.m. 7:15 大広間


「あ、遥花さん!」



今日も今日とて、ご飯をぱくぱくと食べる私に、沖田さんが近づいてきた。



「沖田さん!

おはようございます」



「おはようございます…

…あの、大変申し訳ないんですけど、今日の午前中は、1人で道場に行ってもらえます?」



(今日は巡察ではなかったはずよね…。

どうしてかしら?)



疑問に思った私は聞いてみた。



「え…?なんでですか??」



すると、いやーあのですね…と頭を掻きながら沖田さんは小声で言う。



「今日の指南役、土方さんなんですよー。

土方さんが道場いるときに行くと、稽古しろってうるさくって…はは」



すみませんっ!と沖田さんは手を合わせる。



(…要するに、サボりたいってことね)



ちょっと呆れた私だが、そこは表情に出さず、にっこりと微笑んだ。



「ふふ、いいですよ。

じゃあ、午後は稽古つけてくださいね?」



「ええ勿論!

ほんと、ありがとうございます。

土方さんに捕まると面倒くさいから…」


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(うん、確かこんな話をしたわ…)



土方さんの技が効いた理由…分かったわ。



考えてみれば、当然のことよね。



沖田さんは、土方さんが指南役のとき道場にいなかった。



しかし、全ての情報源は彼1人なのだ。



…そう考えれば、最初の攻撃で下段に構えた私を見て、中村くんが戸惑いを見せたのにも納得がいく。



あれは別に、下段が女子に不利だからとかいうのではない。



沖田さんから与えられた情報の中に、その構えは存在しなかったからだ____!
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