理論と刀と恋の関係。
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次々と飛んでくる木刀を避けながら、私は確信する。



(うん…あの試合は絶対に誰も見ていなかった。

沖田さんも自分達のしょうもない遊びが見られているなんて思いもしないだろうし。

それに…遊びとはいえ、沖田さんと藤堂さんの試合よ?

かなりハイレベルなものだったはず。

なら、そこで出た技だって…!)



ガンッ_____



…逃げ続けて20分、風を切る音だけが響いていた道場に、ようやく木刀が交じり合う音が響いた。



「なんや、ようやくやる気になったんか?」



中村くんが楽しそうに言う。



私は口角を上げて、えぇ…とだけ答え。



そして、自分に言い聞かせるように呟いた。





















    「さあ…〝再現〟しましょうか」
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