理論と刀と恋の関係。

夢と覚悟

。₀:*゚✲゚*:₀。



(うぅ…っ痛い)



膝に感じる固い床の感触。



じんじんと広がる痛み。



回る視界。



(私…何してるんだろ?)



焦りを孕んだ声が、どこか遠くで聞こえる。



「おいっ」



藤堂さん…?



「宮瀬くん!!」



あ…近藤さん…



「ッアンタ、しっかりしいや!」



中村くんも…どうしたのよそんなに焦って。



「宮瀬ッ」



永倉さんまで…



背中に何かが当たる…これは…誰かの腕?



あ…もしかして私、支えられてる?



っ駄目じゃん、迷惑かけちゃ…



起き上がらなくちゃ…!



私は背中に回る腕をそっと解く。



「ごめんなさ…

もう、だいじょうぶ、ですから」



呂律が上手く回らなかったが、なんとか言いたいことは言えた。



そのあとも、心配してかけてくれる声を制し、私は足に力を込め、立ち上がる。



「ぅ、わ…っ」



途端にぐらつく足元。



(やばい、倒れる…!)



伸ばした手が空を切る。



(ああ、また心配かけちゃう)



そう思いながら、衝撃を覚悟し目をつぶったとき。



「…っと、ほんと危なっかしいですね」



耳をくすぐる優しい声と、背中に感じる温もり。



そっと、目を開けると。



微笑みを浮かべた沖田さんが、私を見つめていた。



「…賭けは僕の負けです。

よく、頑張りましたね」



その言葉は嬉しくて仕方が無いのに。



「ん…別に、そんなことないです…」



やっぱり強がってしまう私は。



「ふふ…嘘つき」



そう言って瞼に被せられた彼の手に、



「ゆっくり休んでいいですよ」



今日もまた身を委ねていく。
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