理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




「…ぉか、さん」



僕の側で眠る彼女が小さく呟いた。



ふと見れば、閉じられた瞳から涙が零れ落ちている。



「おかあ、さん…」



その涙を指でそっと拭う。



(悪い夢でも見ているのでしょうか…)



次々と溢れ出てくる彼女の涙を、僕はただ、拭い続けた。



拭っても拭っても、彼女の涙は止まる気配を見せない。



「遥花さん…遥花、さん…」



いてもたってもいられなくて、名前を呼ぶ僕。



「遥花さん…」



しばらくの間、そうしていただろうか。



「……ん」



ぴく、と彼女の瞼が震えたかと思うと、



「ぁ…沖田、さん」



目が、開いた。



「ちょっ、大丈夫ですか!」



起き上がろうとする彼女に手を貸す。



「はい、私は全然平気です。

それより…」



彼女は起き上がると、申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。



「運んで、くださったんですよね…

お布団も…わざわざすみません」



…ほんとに。



この少女がさっき中村くんを倒したなんて…信じられないな。



ほんっとにすみません!なんて言って頭を下げている彼女に、思わず苦笑が洩れた。



「いいんですよ、そんなこと。

それより、身体がもう大丈夫だというのなら…息抜きしませんか?」



僕がそう言えば、



「息抜き…ですか!」



いいですね!と笑顔を浮かべる君と目が合った。
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