理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




「では、行きましょう!」



…え?どこに?



その疑問を口にする暇なく、ぐわんっと腕に衝撃が走ったかと思えば。



「なっ…ちょ!どこ行くんですかああ!?」



私は沖田さんに部屋から引っ張り出されていた。



私の腕を掴んだまま、沖田さんはどんどんスピードを上げる。



(わわっ、ここで曲がり角とか鬼畜…!)



転ばないように沖田さんについていくのに必死な私と、それはそれは楽しそうに廊下を猛スピードでダッシュする沖田さん。



(この人、どこまでいくの!?)



先の見えないランニングに、頭がくらくらした。




* * *




「ぜぇっ…はぁっなんで…。

そんな…に、平気なんですかっはぁ…」



息も絶えだえに話す私。



対する沖田さんの顔は相変わらず涼しげ。



なんで今ので汗ひとつかかないわけ?



あれか?基本スペックの差か?



ぜーはー言って息を整えていると、上から呆れた声が聞こえてくる。



「あれー?こんなので疲れたんですか?

なっさけないなー」



(くぅぅぅぅ〜むっかつく!)



未だ乱れている息を抑え、私は沖田さんに食って掛かる。



「べーーっっつに!私はっ!

しんどくなんかっありません、けど!?」



…今年1番の強がりだったと思う。うん。



しかしそんな、私の今年1番モノでは到底通じないのが、この沖田総司という男である。



「へーえ…じゃ、もう1回、行っちゃいます?」



彼は黒さを隠しきれていない笑顔で、こう言ったのだ。



(今のをもう1回とか…冗談じゃないわよ!)



そんなもんされてたまるか!と思い、悔しかったが前言撤回。



「いえ、もういいです。

もう疲れたので結構です。

…てゆーかそもそも、息抜きをするんじゃなかったんですか?」



話題転換も忘れない。



「ふふっしょうがないですね…。

こっちですよ」



そして向かった先は…



「あれ、ここって…」



「ええ、局長室です」



…え、ここで息抜きするんですか??
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