理論と刀と恋の関係。
「失礼しまーっす」



戸惑う私を余所に、沖田さんは軽快な音を立てて障子を開いた。



(…え、そんな適当でいいわけ!?

ここ、局長室なんでしょ?)



心の中では激しくツッコミ。



(これで怒られても、私のせいじゃない。

ぜっったいに、私のせいじゃない…)



軽く責任回避をし始めた私に、優しげなお声がかかった。



「おお宮瀬くん、さっきは見事な試合だったね。

ほら、座りなさい。

美味しい饅頭があるんだ」



近藤さんだった。



はっと現実に戻り、局長室の中を見渡すと…



近藤さんに土方さん、山南さん、井上さん、斉藤さん、藤堂さん、原田さん、永倉さん…なんと、幹部勢揃いだった。



(こ、これは…最初の尋問の時以来だわ)



思わず汗がたらりと流れる。



局長室といえど、別に物凄く広い訳ではない部屋に、大の男がこうも何人も座っているのだ。



怖いし、暑苦しいし、むさい。



入るのを躊躇っていると、



「ほ〜らっ」



「!?」



いつのまにか背後に回っていた沖田さんに、どんっと背中を押された。
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