理論と刀と恋の関係。
…そこからはもう早かった。



押されて体制が崩れた私を、永倉さんが受け止め、藤堂さんが座布団を2つ敷き。



戸棚から沖田さんがお饅頭を取り出し、井上さんがお茶を入れる。



私は永倉さんから原田さんにパスされ、原田さんから座布団の上へ。



そして沖田さんが井上さんからお茶を頂き、お饅頭と共に私の隣に着席。



ここまでで、僅か5秒。



…チームワーク良すぎでしょ。



(びっくり通り越して唖然だわ)



「ぁ、ありがとうございます」



思わずどもってしまった。



緊張でかちこちの私に、隣の原田さんが声をかけてくれる。



「この10日間、遥花チャンが稽古で忙しかったりして、俺らとあんまり話できなかったろ?」



「稽古が終わったかと思えば、総司がべったりだったしなー」



苦笑いで永倉さんが続ける。



「だから、試合も終わったことだし、皆でお茶でもどうかと思いましてね」



山南さんがにっこり笑顔で言う。



「要するに、みんな遥花さんと喋りたかったってことですよ」



沖田さんがまとめた。



でいうか、皆さんがそんな事を思っていたなんて…ちょっと、いや結構嬉しい。



「ありがとう、ございます…!」



今度はしっかりとお礼が言えた。
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