理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




「総ちゃん!こっちこっちー!」



「ふふ、転ばないでくださいよー?」



ぴちゃん、ぱちゃん、と泥がはねる。



ざあざあと降る雨の中で、元気に駆けまわる子どもたち…



…と、僕。



こうなった経緯を説明すると。



1時間程前、遥花さんに部屋を半ば強引に追い出された後、僕はやっぱりじっとしていられなくて、散歩に出かけた。



そのまま適当にぶらぶら歩いていたら、壬生寺から子供の声。



行ってみれば、雨だというのに元気に鬼ごっこをしている子どもたちを発見、仲間に入れてもらって、今に至るわけだ。



(遥花さん、何をしているのでしょうか…)



ぽた、ぽたた__________



濡れた髪から滴る雫が、水溜まりに映った僕を揺らす。



(なんか、気になってきた)



______ぱしゃ、ぱしゃん。



自分の姿を掻き消すように、水溜まりに足を踏み入れると、僕は未だ駆けまわっている子どもたちに声をかけた。



「僕、ちょっと用事ができましたので、帰りますねー!」



そして、総ちゃんまたなー!という子どもたちの声を聞きながら、僕は足早に屯所へと向かう。



…ばしゃん、ばしゃっ、と音を立てながら。
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