理論と刀と恋の関係。
ぐいっと手の甲で目元を拭う。



(泣くなんて…私らしくない)



誓ったはず。



変えてみせるって。



強くなるって。



ならば、私がここですることは1つだけ…



「…策を練らないと」



私は再びシャーペンを握った。



…が。



「はーい、ちょっと待ちぃやお嬢はーん?」



京言葉…というより関西弁に近い口調で喋る男が降ってきた。



…そう、〝降ってきた〟



私は首だけで後ろを振り返る。



そこには、黒装束を身に纏った小柄な男が立っていた。



(…今日の天気は雨ときどき忍者だったのね、うん、きっとそうだわ)



とりあえず現実逃避をして、見なかったことにする。



年表ノートを閉じ、はああ~…と深い溜息をつくと、



「ちょお、溜め息はないやろ溜め息は〜」



けらけらと笑いながら近づいてきた。













…っていうより、間合いを詰められた?
< 134 / 171 >

この作品をシェア

pagetop