理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




沖田はんとお嬢はんが部屋を出るや否や、俺は副長に食って掛かった。



「…どういうことですか、副長」



なんで彼女を帰したんや。



まだなんにも聞いてなかったのに。



「~っ、なんでですか!」



アイツが怪しいっちゅーことぐらい、あんたが一番分かっとる筈やろ…?



ダンッ、拳を畳に落とす。



黒い着流しを身に纏い、切れ長の目をしたこの人は、一切動じることなくそんな俺を見つめていた。



ますます苛々が募る。



(くっそ、なんでなん!?

あいつが裏切らんっちゅう確証は何処にも無いやんか。

未来から来たとかも、正直胡散臭すぎる。

その理由以外では、あいつの持ってるモンや何かを説明する事ができんかったから、今はそう思っとるだけや。

いつかアイツが、俺らに厄介事を持ち込むかもしれんのに…)



俺の頭の中で色んな想いが渦巻いていた。



ぐるぐる、ぐらぐら。



「…山崎」



それなのに。



目の前の男の眼は、ブレない。



「俺だって、信用してる訳じゃねぇ」



ぎらり、という言葉が相応しいくらい、



「…けどな」



鋭くて、



「信じてやりたいとは、思ってる」



______________眩しいんや。
< 139 / 171 >

この作品をシェア

pagetop