理論と刀と恋の関係。
* * *




彼女の話をまとめるとこうだ。



この先浪士組はどんどん大きくなっていく。



今以上に世は乱れ、組の仕事は倍増。



それなのに僕は度々風邪をひき、戦に出られないことが多くなるそうだ。



組にとって僕の不足は痛手で(これは少し嬉しい)、戦局は不利になるのだとか。



我ながら情けないとは思ったけれど、確かにこれは大問題だ。



絶対に風邪なんてひかないようにしなければ。



* * *



僕の風邪は体質的なものかもしれないから、という理由で、これからは彼女に定期的に診断をしてもらうことになった。



何でも、彼女は先の世で薬学を学んでいて、未来の進んだ医療も少しかじったとかなんとか。



詳しいことはよく分からないが、彼女は学者でかつお医者様だったのか?



立派な“先生”だ。



女性で先生なんて凄いですね、と僕が言うと、今に男も女も関係ない世の中になるのよ、と彼女は微笑んで言った。
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