理論と刀と恋の関係。
なんて言うべきか、考えた。



ストレートに史実を言ってしまうのは得策ではないのは明白。



かと言って、あの短い時間では、労咳…未来では結核と呼ばれるその病名を、ただの風邪だと言い換えることしか思いつかなくて。



オブラートで幾重にも包んで、“あんたが風邪なんかこじらすから苦戦したのよばーか”みたいな雰囲気で彼には言ってしまったけれど…史実はそんなに簡単な話じゃない。



新撰組が苦戦した一番の要因は沖田さんが参戦できなかったからじゃないし、そもそも“苦戦”とかいうレベルじゃない。惨敗だ、惨敗。



これは、新撰組が幕府側につく限り、きっと回避できないだろう。



途中で戦を放り出すなんてこと、しなさそうだし。



(ま、目の前にあるものから片付けていきましょ)



沖田さんの体調は私が管理することになった。



労咳は絶対に防いでみせる。



今こそ、未来での知識が生かされる時だ…!!
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