理論と刀と恋の関係。
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今の…私に話しかけたのよね?



局長室から出てきたあの人…おそらくは壬生浪士組もう一人の局長、芹沢 鴨さんだろうけど…彼は間違いなく、“そこのおなご”と言ったはず。 



沖田さんがどうして私をあの人に会わせたくなかったのかは知らないけれど、ここまで言われて挨拶もしないのは非常識だろう。



そう思って沖田さんの後ろから出ようとしたのだが、沖田さんが私の手を強く握ったままで動けない。



「ちょ…ちょっと沖田さん?」



小声で呼びかけてみるも、無視。



「…芹沢鴨さん、でしょ」



こっそりと沖田さんに言えば、彼はびくりと肩を震わせた。



やっぱりね。



「なぜにそんな必死になって隠しておるのだ。

…儂に見られるのが嫌か?」



けらけらと笑いながら、芹沢さんは私の方を覗こうとする。



沖田さんが咄嗟に隠そうとしたのを抑えて、私は芹沢さんの前に進み出た。



「初めまして。

数日前からこちらでご厄介になっております、

宮瀬遥花で 「はて…」



私の言葉を遮るようにしてにやり、口を歪める芹沢さん。



「ここは、女人禁制ではなかったか」



その言葉に、体が固まった。



「のう?沖田」



「……それは、」



沖田さんも言葉に詰まる。



(私の存在が、迷惑をかけている…!)
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