理論と刀と恋の関係。
「どうするトシ、みみみ宮瀬くんがそこに…!」



「落ち着け近藤さん、なんとかこの場だけでも切り抜けねぇと…」



慌てふためいている近藤さんを制しながら、俺は筆をとった。



さらさらと文字を書き、それを近藤さんに渡す。



「これは…?なるほど!」



近藤さんも納得したようだ。



書いたばかりの紙を両手で持ち、障子の隙間から差し出す。



〝宮瀬を隠せ〟



廊下の向こう側では、総司が芹沢と何か話しながら宮瀬の手を引き後ずさっているところだった。



近藤さんの掲げる紙に気づき、宮瀬を自分の後ろに隠そうとする。



(伝わったみてーだな…)



ほっとしたのもつかの間、芹沢は一歩、また一歩と総司たちとの間を詰めていく。



(でも、こっからどうしたら…

くっそ…もう間に合わねぇ!!)



その時だった。



「ちょ、」



「な゛…っあいつ、何考えて、」



宮瀬が総司を押し退けて、前に出た。
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