理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




「え…ぅにゃぁああっ!?」



わわ、変な声出たっ…じゃなくて!



「なにするんですか!」



私は今、先程のイケメン君に俵担ぎをされている。



お腹にいきなり手を回されたから変な声は出るし、持ち上げられた衝撃で両手の荷物はおとしちゃうし。



あぅ…キャリーバッグはともかく、もう1つのバッグとスーツケースは絶対に落としたくなかったのに!



足をじたばたとさせて、どうにか降りようとしても、足も背中もがっちりホールドされていてちっとも上手くいかない。



イケメン君は私の抵抗なんてガン無視で、すたすたと歩いていく。



「あの、私の荷物…っ」



「心配しなくても大丈夫ですよ。

他の隊士が持ってきますので」



イケメン君が爽やかに答えてくれた。



にしても、“たいし”って…。



変換は“隊士”、でいいわよね?



まさか “大使” とか “太子” なんて偉い人に運ばせるわけないだろうし。



まあ、ちゃんと荷物を持ってきてくれるなら、いいか。



それよりこの体制をどうにかしたい…っ。



「ねぇ、降ろしてよ。

私、歩けるから」



顔立ちの幼さから、このイケメン君は年下か同い年くらいだろうと勝手に推測した私は、タメ口で話しかける。



「ダメですよー。

その “はいひーる” とやらで踏まれたらさすがの僕でもあなたを逃がしちゃいそうですから」



「……」



別にそんなことしないわよ!と思ったけれど、踏みつける必要が出てくるという確率は0ではないため、反論はしないことにした。
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