理論と刀と恋の関係。
「な、なによ」



どもっちゃった…。



沖田さんが遠慮がちに尋ねてくる。



「いや、あの…縮みました?」



「……」



「縮みましたよね?」



無言になった私に、沖田さんはもうひと押し!とばかりに聞いてくる。



「…気のせいじゃない?」



「気のせい…ではないですね」



苦し紛れに言った最後の足掻きも、ばっさりと切り捨てられ。



もう認めるしかないな…と私は心の中でため息をついた。



顔を沖田さんのほうに向け、開き直った調子で言う。



「えぇそうよ。この “ハイヒール” というものにはもう1つ利点があるのよ…

…身長をサバ読みできるっていう利点がね!

私は昔っから身長低いのが悩みの種だったからっ、このハイヒールで高身長気分を味わってたのよ悪い??」



遥花は沖田の顔を睨みながら言う。



が、いかんせん背が低いので、ただの上目遣いにしか見えない。



しかも、



(…首が痛いっ)



2人の身長差は結構あるので、見上げている遥花は首が痛さで、目に生理的な涙が溜まってくる。



…ここまでくると分かるだろう。



女の子の武器、涙目&上目遣いの図、完成である。
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