理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




「…え?」



女の子が、ちょっとあんた何言ってんの?みたいな視線を僕に寄越す。



服も、声も、さっきまでいた彼女のもの。



でも、顔が違い過ぎる。



彼女…遥花さんは、切れ長な瞳が印象的な、綺麗系の美人。



しかしこの子は、綺麗というよりも可愛いといった方が正しい顔立ちだ。



くりっとした大きな瞳は愛らしい印象は与えても鋭さはまるでなく。



小さい鼻は遥花さんのスッと通った鼻筋とは完全に別物。



肌はより白く、頬にうっすらと挿す薄桃色が際立つ感じで…まあとにかく、印象が全く違うのだ。



じろじろと女の子を観察するように見ていると、その子は薄桃色の頬をさらに紅く染めて言った。



「〜!!

だから嫌だって言ったのに!

悪いですか、化粧で童顔隠すのって駄目なんですか!?」



逆ギレ、再び。



その様子に、僕の中である1つの仮説が浮かぶ。



(もしかして…この子が遥花さん?)



もう一度、女の子を見る。



顔立ちは全く違うが、骨格は…彼女と似ているかもしれない。



気づいたらなんだか笑えてきてしまった。



「ふっ…遥花さん、なんですよね?」



「そーですよ…

ってちょっと、笑わないでくださいよ!」



彼女は顔を真っ赤にさせて言う。



それを見て、更に笑いが込み上げてきた。



「っはは!

だって!

顔変わりすぎ…!!」



変わりすぎですよ、と言おうとしたのだが、笑いのせいで言葉尻がうまく言えない。



この後、暫く僕は笑い続けていた。
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