理論と刀と恋の関係。
彼女が外に出たのを確認して、僕も布団から起き上がる。



たとえ彼女が特別でも、僕は壬生浪士組の一員。



彼女が敵だという疑いが完全には晴れていない今、僕には彼女を追跡する義務がある。



天井裏から僅かに感じる気配から、きっと監察方も動き出したのだろう。



僕が障子に手を掛けると、後ろから



「ちょっと待ちぃや」



聞き慣れた関西弁が聞こえた。
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