理論と刀と恋の関係。
くるり、後ろを振り返ると、そこには黒装束に身を包んだ男が1人。



この人物が、壬生浪士組 監察方の山崎さん---山崎 烝---だ。



「お嬢ちゃんなら、出てすぐの縁側や

ぼーっと空を見てるさかい、ちょっと様子見な」



彼はそう言うと、再び天井裏へと隠れた。



僕は薄く障子を開ける。



そこには確かに、未来の着物を着た彼女が身動き1つせずに座っていた。



彼女はそのままぼうっとしていたかと思うと、ぼそぼそと何かを呟く。


「…SO₄²−(硫酸塩)、NO₃−(硝酸塩)、NH₄+(アンモニウム塩)、水素化合物、有機化合物、PAH(多環芳香族炭化水素)、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)、V(バナジウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、吸湿粒子…」



………。



(なんだなんだなんだ!?何語!!?)
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