理論と刀と恋の関係。
いきなり訳の分からないことを呟く彼女。



えすおーふぉーつーまいなす?



ぴーえーえいち??



な、なんのこと…?



暫く呟いていたが、それもふっつりと止んだ。



そして、次に聞こえたのはなんと嗚咽。



ぼうっとしていたかと思えば、喋り出したり泣き出したりする彼女。



(嗚呼、彼女は不安なんだ)



僕はようやく気づく。



…考えてみれば当たり前のことかもしれない。



全く違う時代に飛ばされて、彼女は1日中、疑いの眼差しを一身に受けてきたのだ。



…たった、独りで。
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