理論と刀と恋の関係。
「っ帰れ、ない…」



僕は、涙を流し嘆く彼女をただ見ていた。



それしかできなかった。



僕も山崎さんも、彼女がきっとこのまま泣き疲れて寝てしまうものだと思っていた。



…でも、彼女は僕の想像以上に強かったのだ。



「っはは、」



無理矢理絞り出したような笑い声が聞こえたかと思うと。



彼女は徐ろに立ち上がり、頬を両手で強く叩いた。



パンっと小気味の良い音が鳴る。



「…_______」



呟いた一言はあまりにも小さくて聞こえなかったが、



(___ッ)



月明かりに照らされた横顔は、街で初めて会った時のように…



…強い意思で満ちていた_______。
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