理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




月を見上げていたら、障子が開く音がした。



振り向くよりも先に、肩に何かが掛けられる。



(これ、沖田さんの羽織…)



はっとして後ろを振り返ると、そこには髪を下ろした沖田さん。



(怒られるかな…)



思わず、肩にかけられた羽織をきゅっと握る。



(あ…)



一瞬、ほんのりと甘い香りが漂った。



少し驚いて、羽織を握る指先に力を込めてしまう。



私のそんな様子に、沖田さんは心配してくれたのか、



「冷えますよ。

もう、寝ましょう?」



柔らかな声色でそう言った。
< 65 / 171 >

この作品をシェア

pagetop