理論と刀と恋の関係。
…なのに。



「お願いします。

ただ見ているだけでもいい_____」



なんでそんなに必死なの。



ここにいるだけでも十分危険なんだ。



その上、君が剣を使えると土方さんが知ったら、きっと君を隊士にするだろう。



ただでさえ、隊士不足なんだから。



…そんなことは、させたくない。



何の為の役職だと思ってるの。



君が、戦わなくても済むようにと君を “参謀” の役務につけたのに。



君が剣を握ってしまったら意味がない…!!



頭に血が上ってくるのが分かる。



…気づけば僕は、彼女に怒鳴っていた。



「あなたは、っおなごなんですよ!」



建前と本音が溢れ出す…



「剣なんて、おなごが持つモノじゃない!」
(剣をもし、あなたが持ってしまったら__ )



「あなたには必要ないんです______ 」
(____あなたはもっと傷つくかもしれない)



一度怒鳴ってしまった僕の口は止まることを知らない。



…そのとき。



ずっと黙っていた君が、顔を上げた。



「生きていかなきゃいけないのよ!」



(_______ッ!!)



君の叫びが胸に刺さる。



…いいよ、そんなに、言うのなら。



やってみなよ。



力ずくで、権利を奪え。



_____それが、此の世の道理_____










…そうだろう?



だから僕も、力ずくで阻止してみせる。
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