理論と刀と恋の関係。
。₀:*゚✲゚*:₀。




私は今、道場の前に立っている。



中からは、木刀を振るう隊士達の掛け声が。



「ヤァアアー!!!」
「ハァッ!」
「キシャアァァアアア!!」



え…最後の何?あれ掛け声??



びっくりして戸惑っていると、木刀を持った沖田さんがこっちに歩いてくるのが見えた。



「はい、これ」



渡されたのは、袴と木刀。



着替えて来い、ということらしい。



…あの奇々怪々な掛け声は一旦忘れよう。



「ありがとうございます」



私はそれらを受け取り、着流しに手をかけた。



…と、ここでまた問題が発生。



「んなっ…ここで着替えるつもりですか!」



叫ぶ様に言う沖田さん。



「え…だめ、ですか?」



それに対し、平静そのもので、今朝沖田さんに貸してもらった着流しの合わせから、中にキャミソールを着ていることを確認する私。



(キャミ着てるし…別に良くない?)



「…っ、もっとあなたは恥じらいってものを…」



ふと見れば、沖田さんの顔が赤い。



あーそっか、この時代は肌をあんまり見せちゃいけないんだっけ?



沖田さんだし、キャミぐらいいっかーとか思ってたけど…だめか。



「はーい、部屋行きますねー」



踵を返すと、後ろから “はぁー” とため息。



そんなにダメか。



厳しいわね、江戸時代。
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