理論と刀と恋の関係。
「えーっと…

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Toudou Heisuke (藤堂 平助)
He is good at continuous attacks.
(彼は連続攻撃が得意。)
《style》
・With short wooden sword.
(木刀は短めに。)
・Center of gravity is at the base of the thumb of your right foot.
(重心は右足、親指の付け根。)
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っと、それから…」



“剣術ノート” に、今日見た藤堂さんの動きを書き連ねていく。








…完璧にコピー出来るように、ね。



そう、私の作戦とは〝10日間で幹部の人達の技をコピーする〟というもの。



道場で毎日行われる、“実践型稽古”



そこで指南役として入る、幹部。



もしも、その人達の動きを完璧に解析し、模倣することができれば?



…10日後の隊士の誰かとの試合に勝てるかもしれない。



でしょ?



幸いなことに、運動神経は悪い方じゃないし。



分析・解析はお手の物、自分で言うのもなんだけど、器用…だと思う。



私の問題点は、大きく言えば力、テクニック、そして経験の無さだ。



経験の無さはしょうがない、刀なんて初めてな私に、10日でこの問題の解決は無理だ。



でも、力とテクニックは…別よ。



力は10日間で上げればいい。



筋トレでもなんでもやってやる。



物凄く上がりはしないだろうけど、少しはマシになるはず。



とすれば、残る問題は…テクニックだ。



これを補うのが、私の作戦。



〝幹部の技のコピー〟



私はこれから10日間、指南役となる幹部の技を、1つでも多く自分のモノにする。



そして、10日後の試合では、それをただ “再現” することに努める。



指南役として来る幹部は腕の立つ人ばかり。



その人達の技なら、たとえ付け焼刃で少々雑かったとしても、まあ通用するはずだ。
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