理論と刀と恋の関係。
「ッはァ!」



カンッと音を立てて、私と中村くんの木刀がぶつかり合う。



私はその反動を利用して、後ろに飛び、間合いを作り。



同じように間合いを取り、こちらを睨む中村くんを、分析し始めた。



(…力は相当強い。

だけど、決して力任せな剣捌きではないのも分かる。

私が相手でも油断しない辺り、意外と考えて剣を振るうタイプね…。

恐らく性格は真面目で繊細、緻密なゲームメイクを好む…)



(…沖田さんは間違い無く、私が頭脳派なのを見抜いてる。

だからこそ、脳まで筋肉で出来ていそうな体型をしていながらも、型にはまった剣を使う中村くんを敢えて選んだ…

…私を油断させる為に、ね。

勿論、私はそんな策には乗らないけれど。)



中村くんはこちらの出方を窺っている。



やはり、慎重な性格の持ち主のよう。



(彼のスタイルは分かった。

さて、私が彼に勝つには…)



私の頭脳は、1つの答えを導き出した。
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