太陽のあいつ《完結》
「池上、タイム計るぞ!!」



末永の声で
アツシの横を通り過ぎ、
スタート台へ上がった。


「よーい」


末永の低い声と同時に
飛び込み体制を取る。



ピ!



笛の音が脳に響き、
俺はプールに飛び込んだ。


とにかく無我夢中で泳いだ。


アツシの華麗な泳ぎを見た後だからこそ、
自分も負けたくなかった。


そして、
アツシに見てもらいたかった。



25mのプールを2往復する100mを思いっきり、
今までにない気合いで泳ぎきった。


プールサイドに手が付き、
顔を上げゴーグルを外す。


すると、
末永は持っているストップウォッチを目の前に持ってきた。
< 122 / 579 >

この作品をシェア

pagetop