太陽のあいつ《完結》
「今の泳ぎ良かったな!!
ほら、上げれよ」


「あ、うん…」



手を握る感触に
また鼓動が早くなる。


アツシに引っ張られ、
プールから上げると手が離れた。


手の感触が、
名残惜しいと叫んでいるようにも感じる。


水に濡れて冷たいはずなのに、
どうしてこんなに温かいんだ。


アツシの指の太さ、爪の形…
もっと確かめたい気持ちになる。



「やれば出来るじゃん!!
今の泳ぎ最高だったよ!」


「あ…そうか…」



日焼けした健康的な
アツシのカラダ。


目の当たりにすることで、
顔が燃えるほど熱くなっていく。



ヤバい…俺…。

やっぱり俺…
アツシのこと…。
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