太陽のあいつ《完結》
それから10分後、
1階に下りると、
既に箸を進める母さんと姉ちゃんがいた。



「ケイタ~遅い!
先、食べてるよ~」



姉ちゃんは食べ物を口に含みながら、文句を言う。


俺は黙ったまま、
イスに腰を下ろすと、
母さんからご飯が盛られた茶碗を受け取った。



「今日も部活あったんでしょ。
しっかり食べなさい」



大盛りの茶碗からは、
モクモクと湯気が立っていた。



こんなに食べられる気分じゃない…



心の中で、
そう思いながら箸を進めた。


でも、育ち盛りなのか…
気持ちが受け付けなくても、
カラダが要求していたようだ。


気が付いたら、
ご飯もおかずも味噌汁もほとんどなくなっていた。



悩んでいても食欲はあるんだな。
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