太陽のあいつ《完結》
「あれ?
やっぱケイタ元気ない!?
サオリちゃんと何かあった?」



不思議そうに
顔を覗き込む姉ちゃんに
俺は顔を背けた。



「何にもねえよ~!」


「あ~これは何かあったな~。
ケイタって分かりやすい~」



からかう姉ちゃんに
ムカつきながら、席を立った。



「ケイタ!もうご飯良いの?」


「もう、良い!」



急いで階段を駆け上がり、
自分の部屋へ逃げ込む。


明かりもつけず、
ベッドに寝転がり、
深いため息をついた。



「はあ…
調子狂うな…」



カーテンの隙間から差す
満月の明かりが、
俺のことを照らしているようだった。
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