太陽のあいつ《完結》
「……ねぇ」



少し震えるような声で、
細い腕を回すサオリ。



「ん??何??
俺、これから部活に行くから、
離せって…」



あえて冷静に話す俺。


「ケイタ…。
今日部活行かないで…。
二人で居たい…」



サオリは顔を窓側に向けて、
誰にも見られないようにした。

そして、
頬を俺の背中に強く押し当てた。



「どうした??
何かあったか??」



少し心配になり、
胸元に組まれたサオリの手を軽く握る。

すると、
サオリはゆっくりと話し始めた。
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