太陽のあいつ《完結》
「そっか…
ケイタ、サオリって子と付き合ってるもんな…」



空を見上げながら、
アツシが呟いた。


既に真っ暗になった空には
いくつもの星が瞬いている。


そして、
綺麗な月が
俺たちのことを照らしていた。



「アツシ…
俺もアツシが好きだけど…、
サオリのこと考えたら…」


「…俺はどっちでも良いよ。
ケイタがサオリちゃんとの関係を続けたいなら、それでも良い。
俺と付き合いながら、サオリちゃんとも付き合えよ」


「え?!
それ…、
マジで言ってるの??」



電灯の下で口角を上げて、
笑っているアツシ。


でも…
目が笑っているようには見えなかった。
< 195 / 579 >

この作品をシェア

pagetop