太陽のあいつ《完結》
俺はうまく身動きが取れず、
「誰か!!!!」と
声を上げた。

でも
周りには誰もいない。



「サオリ!!
早く浮き輪に掴まれ!!
ほら!!」



混乱しているサオリは
俺のカラダに掴まろうとするだけ。



サオリの爪が
俺のカラダに突き刺さり、
何度も皮膚を抉(えぐ)られる感覚があった。



「サオリ!落ち着いて!!」



右腕でサオリを抱え、
左腕を浮き輪に掴み
体勢を保つ。


だが、
サオリが浮き輪に掴まってくれない限り、
身動きが取れない。
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