太陽のあいつ《完結》
サオリの点滴は
二時間ほどかかり、
その間にサオリのお父さんが向かえに来た。


何度か
サオリのお父さんに
会ったことはあるが、
挨拶程度の言葉しか交わしたことがない。


父親の存在が
薄くなっている俺にとって、
どう接するかも分からないし、
向こうも娘の彼氏と
どう接するか
分からないのだろう。


今日も挨拶を交わした後、
ただ黙ってサオリを
連れて車を走らせた。


助手席で手を振るサオリを見送った後、
ドッと疲れが押し寄せる。
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