太陽のあいつ《完結》
「ケイタ~」



サオリは
ソファに座る俺の膝に
頭を乗せた。



「下から見る
ケイタも好き…」



膝の上で
笑っているサオリは
俺の手を握った。



細い色白な手に
綺麗に装飾された爪。



俺はそんな爪を
指でなぞりながら、
カラダの傷を思い出す。



姉ちゃんに
薬を塗ってもらった感触が
頭を過ぎり、
家族を心配させた自分に腹が立った。



母さん、姉ちゃん
心配かけてごめんな…。
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