太陽のあいつ《完結》
「ね?!
今、何て言ったの??
サオリの聞き間違いだよね??
そうだよね?」



少し興奮したサオリに
何て声をかけたら良いだろう。


でも…
もう同じことを
繰り返しのはイヤだ。


自分に
嘘を付きたくない。



「……聞き間違いじゃない。
俺たち、終わりにしよう。
ホントごめん…」



力強く握るサオリの爪が
俺の腕にめり込んでいく。


俺は
その腕をゆっくりと振り払い、
涙を溜めるサオリに
頭を下げた。
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