太陽のあいつ《完結》
TVを止めると、
一気に部屋は静まり返った。

そして、
俺はゆっくりと重い口を開く。



「…他に好きな奴がいるんだ。
サオリのことも好きだけど…

……そいつのほうが、
  好きになった…」



ただ
黙って聞いているサオリは
また涙を流す。


声を出さず、
次から次へと…
涙の粒がこぼれ行く。



「ごめん。別れよう…」



俺はとどめをさす様に、

…呟いた。


サオリは俺の手を握り、
何も言わず力だけ強めて行く。
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